理事長挨拶
このたび安田政実教授(埼玉医科大学)から日本婦人科病理学会理事長を引き継ぐこととなりました。前身の婦人科病理研究会から発展して設立された本学会の理事長としては長坂徹郎先生、九島巳樹先生、安田政実先生に続き4代目となります。
本学会は婦人科病理学を専門とする、あるいは興味がある病理医、婦人科医を含む臨床医、細胞検査士を含む臨床検査技師などが交流を図りながら、症例検討、学術活動を通して婦人科病理学に関する理解を深める一方で、情報発信を行うことをミッションとして位置づけています。
具体的には年2回の学術集会の開催、学会誌の発刊を行っているほか、毎年春に開催される日本病理学会総会ではコンパニオンミーティングを企画し、 日本病理学会会員の方々に婦人科病理学領域の最新情報を提供しています。また、本学会のコアメンバーは日本病理学会と日本産婦人科学会が出版している卵巣腫瘍・卵管癌・腹膜癌取扱い規約、子宮頸癌取扱い規約、子宮体癌取扱い規約の改定・編集に参画しているほか、 世界保健機関(WHO)の女性生殖器腫瘍分類の編集にもエキスパートパネルのメンバー、執筆者として貢献しています。 さらに、本学会は日本婦人科腫瘍学会とも連携しており、毎年開催される同学会の学術講演会ではシンポジウム・ワークショップ、症例検討会において本学会会員が演者・コメンテーターとして参加しています。 韓国および台湾の婦人科病理医とも交流を続けており、日韓台婦人科病理合同会議を開催しています。このように、本学会の活動は多岐にわたっており、今後もその幅が広がっていくものと期待しています。
会員数は現在約250名を数えており、その中には婦人科医も多数含まれていることは本学会の特徴の1つとなっています。婦人科病理学は究極的には診療に貢献することを目指しています。 従って、今後も引き続き日本婦人科腫瘍学会と連携しながら、本邦の婦人科病理診断学の振興、教育・研修、研究活動を推進して参ります。
安田政実前理事長の路線を引き継いで、会員の皆様の要請に応えながら学会が発展できるよう尽力していく所存です。今後とも宜しくお願い申し上げます。
令和4年2月21日
日本婦人科病理学会理事長
三上芳喜(熊本大学病院 病理診断科)